2013年 7月
欧州リウマチ学会(EULAR)が6/11-6/15にマドリッドで開催され参加してきました。
いろいろと新しい報告はありましたが、特に注目されたのは、レコメンデーション(治療に関する提言)が3年ぶりに改訂されたことで、ウィーン大学のスモーレン先生が発表。最終日のほぼ最後の発表にも関わらず、多くの人が集まっていました。まだ草稿の状態で、いくらか手直しされ後日、学会誌に掲載されることになるようです。
また6月30日に第15回石川リウマチ薬物治療研究会が開催され、長崎大学第一内科教授の川上先生に御講演いただきましたが、その中でも、新しいEULARのレコメンデーションにつき、詳しく述べられていました。日本を含め、世界中のリウマチ医の治療方針に大きな影響を与えるであろう、この変更の概要について、本日は御報告させていただきます。
まず、用語のことになりますが、リウマチの基本的治療薬であるDMARD(疾患修飾性抗リウマチ剤)を分類して新たに定義しています。
sDMARD(synthetic DMARD)
合成DMARDのことで、これはさらに二種類に分けられ
① csDMARD (conventional synthetic DMARD)
これまで使用されてきたMTX(リウマトレックス)、サラゾスルファピリジンなど従来型の合成DMARDsのことです。
② tsDMARD ( targeted synthetic DMARD)
分子標的型合成DMARDsで、今回の報告では特にトファシチニブ(ゼルヤンツ)を意識しています。
さらに、
③ bDMARD (biological DMARD)
生物学的DMARDで、インフリキシマブ(レミケード)、エタネルセプト(エンブレル)など、先発品の生物学的製剤のことです。
④ bsDMARD (biosimilar DMARD)
生物学的製剤の後発品のことです。