2013年 12月

11月24日(日)にリウマチ医療懇談会を小松市民センターにて開催して盛況の内に終えることができました。

今回は、自分の講演と、リウマチ医療寸劇、患者さんの体験談の三部構成となりました。

講演は、基礎編と最新編に分けて行いました。基礎編では、リウマチの診断、治療目的、寛解の定義、活動性評価、治療方針について具体例を出しながら解説しました。治療方針はEULAR (欧州リウマチ学会)2013のレコメンデーションを日本向けにアレンジしたものを提示しました。国内外の主要な学会、特に直近のACR(米国リウマチ学会)2013や学術誌からの最新の知見も所々に入れましたが、時間の関係もあり、ゼルヤンツとそれ以降の新しいJak阻害剤に関する話題などを中心としました。なお、以上の内容ですが、今年の流行語を紹介しながら解説するという新しい試みにチャレンジしました。結果的に今年の流行語大賞の4つは全て網羅していました。滑ったところもあるでしょうが、結構笑いも取れていたと自負しています。

(*´▽`*)

笑いと言えば、久々の寸劇は、笑いとともにためにもなったでしょうか?体験発表では患者さんの生活の背景が聞けて感慨深いものがありました。

御参加いただいた皆お疲れ様でした、そして本当に有難うございました。

 

2013年11月23日(土)に都ホテルで行われたFIT-RA総会とその後のリウマチセミナーに参加しました。

FIT-RAには、関節リウマチの診療を行っている北陸三県の医療機関(現在金沢大学、富山大学を含む17医療機関)が参加し、生物学的製剤のデータベースを集約しています。

そのデータをもとに、FIT-RA所属の医師が、国内外の学会での報告や、学術誌への投稿を行っています。多数の高名な医師も出席され、今後の運営方針などについて議論されました。

セミナーでは、特別講演に西本憲弘先生をお招きして、「トシリズマブのPersonalized Medicine」の演題名にて御講演いただきました。西本先生と言えば、トシリズマブ(アクテムラ)の開発者として国内外で著名でおられます。堂々した佇まいで、開発時のエピソードから最近の話題まで淀みなく話され、リウマチ治療に対する情熱が感じられた講演でした。

IL-6やMMP-3の測定にて、アクテムラによる寛解やドラッグフリーの維持が予測できる点は、患者負担の面からも大変喜ばしいトピックでした。また、皮下注のアクテムラが国内承認されたばかりでもあり、点滴静注との違いについての質疑応答が興味深いものでした。

EULAR (欧州リウマチ学会)2013のレコメンデーションでは、生物学的製剤を単剤で使う場合はアクテムラを推奨していますが、免疫寛容にて抗体の出来にくい点滴静注の方がより望ましいようです。皮下注射の場合は、投与量が少なめとなる場合が多いこともあり、メトトレキサート(リウマトレックス)との併用がより望ましいようです。私も質疑応答、及びその後の懇親会にて、Jak阻害剤とIL-6との関係など色々と質問させていただき、大変勉強となりました。この場を借りて深謝致します。

hidamari

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